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第15章

仮面城(日文版)-第15章

小说: 仮面城(日文版) 字数: 每页4000字

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 しかし、耕助はそんなことは知らないから、だまって見ていると、すぐ場面はつぎにうつって、山道を走っていく大型バスがうつしだされた。バスのむこうには、のこぎりの歯のようにそびえる山茫⒛兢伍gがくれにちらほら見える湖水の表……。
「アッ、ここです。ここです」
 金田一耕助はおもわず叫んだ。ああ、きのう三太が映画を見ながら、仮面城、銀仮面と叫んだのは、たしかにこの場面ではないか。
「井本さん、いまの場面と、もう一つまえの絶ぺきの場面、あれはどこでおとりになったのですか?」
「ああ、あれですか、あれならば二つとも、伊豆半島の西海岸、|伊《い》|浜《はま》という村の付近で撮影したのですが……」
「な、な、なんだって、伊豆の伊浜だって?」
 だしぬけにそう叫んだのは等々力警部。金田一耕助はその声におどろいて、
「警部さん、あなた伊浜というところをご存じですか?」
「いや、いや、そういうわけじゃないが、けさ早く、沼津の警察から報告があったんです。ゆうべま夜中ごろ、伊浜の海岸で、正体不明の怪気船が、爆発沈没したという……」
 それを聞くと一同は、おもわずギョッと顔を見合わせた。

     仮面城襲撃

 伊豆の伊浜はその日一日大さわぎだった。なにしろ、すぐ目のまえの海の上で、汽船が一隻爆発、沈没したのだから、その|救護作業《きゅうごさぎょう》でたいへんだったのである。
 全村総出で、海上にただよっている船員たちを救いあげるやら、傷ついた遭難者の手当てをするやら、たきだしをするやら、さてはまた、流れよる船の破片をかきあつめるやら、それこそ涙ぐましいはたらきだった。
 むろん、村のひとたちは、この船がそんな悪い船だとは、夢にも知らなかったが、もし知っていたとしても、やはりおなじようなことをしたことだろう。これが海のおきてなのだ。相手がどんな悪人でも、いったん遭難したとあれば、それを助けるのが、海に住むひとびとのつとめなのだ。
 こうして一日じゅう、戦場のようなさわぎをしていた伊浜の海岸も、日が暮れて、夜がふけるとともに、またもとのしずけさにかえった。
 救難作業もあらかたおわり、けが人は病院へかつぎこまれて、村のひとたちはめいめいじぶんの家へひきあげていった。
 そして、あとにはポッカリと、春の月が空に出ていた。ゆうべ、宝石丸をのみこんだ海も、いまはなにも知らぬげに、のたりのたりと、のどかな波がうってはかえしている。
 夜の十時過ぎ。
 このしずかな伊浜の絶ぺき目がけて、沼津方面から、しずかに近づいてきたいっそうのランチがあった。
 ランチにのっているのはいうまでもなく、金田一耕助に等々力警部、文彦に香代子、ほかに、ものものしいいでたちをした武装警官がおおぜいのっている。
 金田一耕助の一行は、あれからすぐに沼津へ直行して、そこでいろいろ情報をあつめると、こここそ銀仮面のアジトにちがいないという見当がついたので、ランチをしたてて、ひそかに押しよせてきたのだ。
 それにしても、文彦や香代子の気持ちはどんなだっただろうか。沼津で聞いたところによると、爆発、沈没した船はたしかに宝石丸らしいのだ。
 と、すればそのなかにとじこめられているはずの、大野老人や文彦のおかあさんはどうしたか……それを考えると、ふたりは胸もはりさけんばかりの気持ちだったのである。
 やがてランチが、映画で見覚えのある絶ぺきに近づくと、波うちぎわから、だれかが懐中電燈をふって合図をしていた。近づいてみると土地の警官だった。
「ご苦労、ご苦労、そしてようすはどうだ?」
「いまのところ、かわりはありませんが、たしかにこのへんがあやしいのです。きょう村のひとたちに助けられて、病院へかつぎこまれた船員たちが、いつの間にやら、おおかた逃げだしてしまって、どこにもすがたが見えないのです。だから、きっと、このへんにかくれががあるにちがいありません」
 ランチからおりた一行が、無言のまま、あのあぶなっかしい階段をのぼって、やっと松林の付近まできたときだった。ほとんど同時に、松林の角を曲がってあらわれたのは、一台の高級車。警官たちがはりこんでいるとも知らず、あの大岩のまえにとまると、なかからヒラリととびおりたのは、おお、銀仮面ではないか。
 あのあやしげな銀の仮面を、キラキラと月の光に照らしながら、銀仮面は岩のそばへあゆみよると、しばらく岩の一部をなでていたが、と、ふいにギ谩ⅴ‘ッと気味の悪い音をたてて、あの大岩がしずかに動いていくのだった。
 それを見るなり、いきなり立った警官のひとりが、
「おのれ、銀仮面!」
 と、手にしたピストルのひきがねを引いたからたまらない。
 ダ、ダ、ダ螅
 と、ときならぬ悖工韦筏袱蓼颏浃证盲啤⒀窑摔ⅳ郡盲繌幫瑜⒒鸹à颏沥椁筏皮悉亭à盲俊
 おどろいたのは銀仮面である。ヒラリとマントのすそをひるがえしたかと思うと、コウモリのように、どうくつのなかへとびこんだが、と、つぎの瞬間、あの重い岩の戸が、ギ谩ⅴ‘ッとぶきみな音をたてながら、ふたたびしまってしまったのだ。
「しまった、しまった、またとり逃がしたか!」
 警部は草むらからとびだすと、岩をたたいてくやしがった。しかし金田一耕助は、いっこう動じる色もなく、にこにこしながら、
「だいじょうぶですよ。警部さん、もうこうなったら、袋のなかのネズミもどうぜん。この入り口をひらくことだって、そうむずかしいとは思いませんよ。それより、警部さん」
「はあ」
「あなたはあの自動車に見覚えはありませんか?」
「そういえば、どこかで見たような車だが……七一年型のクライスラ扦工汀
「三〇三六九……たしかにあの車とおなじ番号です。ほら、宝石王、加藤宝作老人が浅草の劇場へのりつけてきた……」
「な、な、なんですって?」
 おどろいたのは等々力警部。
「それじゃ銀仮面のやつは、宝作老人の車をぬすみだしたのか。……いやいや、ひょっとすると、われわれが出発したあとで、宝作老人も銀仮面の手に……」
 等々力警部の顔には、にわかに不安の色がひろがってきた。しかし、金田一耕助はなにかもっとほかのことを考えているらしく、恐ろしそうにからだをすくめると、
「いやいや、そうではありますまい。それより、もっと恐ろしいことが起こっているのかも知れないのですよ」
 と、ホッとひそかにため息をもらすと、
「いや、しかし、いまはそんなことをいっているばあいではありません。それよりも、一刻も早くこの岩の戸をひらかなければ……」
「さあ、問睿悉饯欷扦工琛⒔鹛镆护丹蟆¥长窝窑螒酩颏窑椁盲啤ⅳい盲郡い嗓Δ筏郡椁いい螭扦埂%昆ぅ圣蕙ぅ趣扦扦獗kするんですか?」
「いや、その必要はありますまい。銀仮面のやつも、わりにかんたんに、動かしていたようじゃありませんか。ひとのできることなら、ぼくにだってできぬはずはない。ひとつ、よく眨伽皮撙蓼筏绀Α
 金田一耕助はしばらく念入りに、岩の表面を眨伽皮い郡ⅳ浃皮摔盲长昃郡韦郅Δ颏栅辘à毪取
「警部さん、どうやらわかりましたよ。ほら」
 と、強くなにかを押したかと思うと、またもやあの岩の戸が、ギ谩ⅴ‘ッと不気味な音をたてて動きはじめたが、と、そのとたんである。
 ダ、ダ、ダン! ダ、ダ、ダン!
 と、岩の戸のうしろから、ものすごい音をたてて、警官たちにおそいかかってきたのは、つるべうちにうちだすピストルのたま。
 ああ、こうして仮面城をとりまいて、警官対怪盗一味のものすごい|血《けっ》|戦《せん》の幕が切って落とされたのだった。

     仮面司令室

「ちくしょう、ちくしょう、こんどというこんどこそ、金田一耕助にしてやられたぞ!」
 仮面城の奥まった一室で、バリバリと歯ぎしりかんで、くやしがっているのは怪盗銀仮面。そのまえに、色青ざめておろおろしているのは、老婆に化けた怪人である。
 そことても奇妙なへやで、直径十五メ去毪猡ⅳ恧Δ人激铯欷搿ⅲ鼉摇钉à蟆罚病钉趣Α罚巍钉堡ぁ筏韦丐浃伪冥摔稀⒁幻妞摔い恧螭蕘⒚妞钉盲皮ⅳ盲俊
 おかめの面もあれば、ひょっとこの面もある。ピエロの面もあれば、てんぐの面もあるといったぐあいに、五、六十もあろうと思われる面が、円筒形のへやのぐるりから、さまざまな表情をうかべて、へやのなかを見おろしているのだ。
 そして、へやの正面には、高さ二メ去毪猡ⅳ恧Δ人激铯欷搿⒋螭蕰r計がおいてあった。時計の針を見るとちょうど十二時。しかし、振り子の部分は、あついカシのドアでとざされているので見えない。
「首領! 首領!」
 老婆の怪人はおろおろしながら、
「そんな弱音をはかないでください。入り口はそうかんたんにやぶれませんし、こちらには三人も人伲趣盲皮ⅳ毪韦扦工椤⒕伽郡沥狻ⅳ啶浃撙耸殖訾筏悉扦蓼工蓼ぁ
「人伲俊·ⅳ饯Δ馈4笠挨绀Δ坤い取⒅裉锩钭婴蛟绀长长剡Bれてこい!」
 銀仮面はテ芝毪紊悉摔ⅳ搿ⅴ蕙ぅ恁邾螭摔啶盲皮嗓胜盲郡ⅳ饯长丐ⅳ铯郡坤筏堡膜堡皮郡韦悉窑趣辘尾肯隆
「首領、たいへんです。敵はいま仮面城のなかへ侵入してきました。ピストルのうちあいがはじまっていますが、敵はとても優勢です」
「ばか! 機関悖悉嗓Δ筏俊¥郡摔涠摔尉伽郡痢ⅳ郡盲绚筏椁胜工筏皮筏蓼ǎ 
「そ、それが、だれかが機関悖颏长铯筏皮筏蓼盲郡螭扦埂
「な、な、なんだと! そ、それじゃ仮面城のなかに、裏切り者がいるというのか!」
 さすがの銀仮面も、ギクリとしたようすである。
「ようし、もうこうなったらしかたがない。人伲悉嗓Δ筏俊⑷速|を早く連れてこい。健蔵のほうが手にはいったから、秀蔵のほうはもういらぬぞ。あいつと竹田妙子と|矢面《やおもて》に立て、警官たちがひるむところを逆襲するんだ。あいつら死んだってかまうもんか!」
 ああ、なんという恐ろしいことばだろう。これが人間のいうことばだろうか。
「と、ところが、それもだめなんです。大野きょうだいも竹田妙子も、どこにもすがたが見えないんです!」
「な、な、なんだと!」
 さすがの銀仮面も、こんどこそ完全に、どぎもをぬかれてしまったらしく、しばらくは口も聞けずにいたが、そうしているうちにも、さっきから聞こえていた悖ⅳい瑜い瑜悉菠筏胜盲皮俊
「ようし、こうなったらもうしかたがない。おまえもいけ、おまえもいって戦え!」
「はっ!」
 くちびるをかんで出ていく部下を見送りながら、銀仮面は老婆の怪人にたずねた。
「おい、非常口のほうはどうかきいてみろ!」
「はっ!」
 怪人は卓上電話をとりあげると、
「X五号……おお、X五号だね。こちらは司令室。非常口のほうはどうか?」
 怪人は二言三言、電話で話をしていたが、すぐに受話器を投げだすと、
「首領、だめです。仮面城はとえはたえ[#「とえはたえ」に傍点]にとりかこまれ、アリ一ぴき、はいだすすきはないそうです」
 とまっ青になってふるえていたが、そのときだった。銀仮面がだしぬけに、あの気味の悪い笑い声をあげたのは……。
「ふっふっふ、敵もさるもの、なかなかやりおるわい。しかし、そんなことでへこたれるようなわしじゃないぞ。わしはどうしても、ここから逃げだしてみせるぞ。たとえ、どのような犠牲をはらっても……」
「たとえ、どのような犠牲をはらっても?」
「そうじゃ、たとえ、わしの片腕といわれる、忠実な部下のいのちを犠牲にしても……」
 そういったかと思うと銀仮面の目が、つるつるとした仮面の奥で、鬼火のように気味悪く光った。

     司令室の悖

 さて、こちらは警官隊の一行である。
 ここをせんどと抵抗する、銀仮面の部下とのあいだに、しばらく、はげしいうちあいがつづいたが、しかし不正はつねに正義の敵ではない。
 正確な警官隊の射撃にあって、あるいはうたれ、あるいはとらえられ、やがてゆく手をさえぎる者は、ひとりもなくなった。
 金田一耕助と等々力警部は、逃げまどう銀仮面の部下を追って、地下二階の階段をおりていったが、そのとき、とつぜん、横のドアがひらいたかと思うと、とびだしてきたのは、二メ去毪猡ⅳ辘饯Δ蚀竽肖馈
「だれか! 抵抗するとうつぞ!」
 等々力警部がピストルをむけると、相手は両手をふりながら、
「あ、あ、あ、あ……!」
 と、奇妙な声で叫んだ。その声を聞くと金田一耕助は、ハッとして、相手の顔を見なおしながら、
「あ、き、きみは大野健蔵博士の助手ではないか。

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