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第23章

仮面城(日文版)-第23章

小说: 仮面城(日文版) 字数: 每页4000字

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「お嬢さん、もういちど、ぼくの顔をよく見てください。ぼくがそんなわるい人間に見えますか」
 そういわれて美罚ё婴乡Rのなかにうつっている道之助の顔を見なおしたが、すぐ目をそらすと、
「さあ、そんなこと、あたしにはわからないわ」
 と、低い声でつぶやいた。
「ハハハハ、わからないことはないでしょう。きみはぼくを信じてくれたにちがいない。なるほどぼくは警官に追われている。しかし世のなかには、まちがいってこともありますからね」
 道之助の口ぶりには、どこかひとをひきつけるつよい力があった。それに、これがはたして警官から追いまわされている人間だろうか。少しもわるびれたところやオドオドしたところがなく、元気で確信にみちた態度――そういう相手のようすがしだいに美罚ё婴涡膜颏窑膜堡俊
「わかったわ」
「ありがとう。やっぱりきみはぼくの味方だ。ときにお宅はどちらですか」
「あら、ちょうど、うちの方角へきてるわ。もうじきよ」
 それから間もなく、|紀尾井町《きおいちょう》の家の近くで自動車からおろされた美罚ё婴稀ⅳ袱盲取⒌乐芜転ぶりを見送っていたが、その彼女は、この奇妙な冒険にこうふんしたのか、ひとばんじゅう道之助の夢を見つづけた。

     宗像博士の秘密

 さて、その翌日になると、たいへんなさわぎだ。
 新聞という新聞が、社会面の大部分をさいて、昨夜の大捕物の記事をかかげている。ひとびとはそれを読むと、いまさらのようにアッとおどろいたが、わけてもいちばんびっくりしたのは、いうまでもなく美罚ё婴扦ⅳ搿
 彼女は新聞を読むと、くちびるの色までまっ青になった。
 あの道之助少年が、どくろ指紋の怪盗であろうとは! しかも、その怪盗の逃亡を助けたのはとりもなおさず、じぶんではないか。
 そう考えると美罚ё婴稀ⅳい蓼丹椁韦瑜Δ俗蛞工韦长趣冥浃蓼欷俊¥饯螭胜长趣戎盲郡椤ⅳ嗓螭饰j摛颏筏皮扦狻⒕欷刂椁护郡韦恕ⅳⅳⅳ嗓Δ筏瑜Α¥嗓Δ筏瑜Αⅳ然冥浃啶筏郡椤ⅳ筏筏蓼俊ⅳⅳ紊倌辘摔盲啤趣いΔΔ郡い猡铯い皮搿
 ――あのとき、道之助はなんといった。世のなかにはまちがいということもある、といったではないか。そうだわ。これはきっとまちがいなんだわ。あのひとがそんな恐ろしい悪党であるはずがない。だが、それにしてもおかしいのは――。
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 見るとその書斎の壁には古びた写真が一枚かかっている。しかもおどろいたことには、その写真というのが、道之助にそっくりなのだ。目もと、口もと、そして髪の毛をひたいにたらしているところまで、すこし年さえ若くすればゆうべ見た道之助、いやいやきょう新聞にのっている道之助の写真にそっくりなのだ。
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「美罚ё印ⅳ胜摔颏饯螭胜藷嵝膜艘姢皮い毪韦坤汀
 と、うしろから声をかけられて、ハッとふりむいてみると、そこにはまっ青な顔をした父の宗像博士が立っている。
「あら、おとうさま」
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「おとうさま、このお写真のかたはどういうひとですの。あたしなんだか、気になってならないの」
 とたずねてみた。博士はそういう美罚ё婴晤喩颏袱盲纫姢胜椤
「ああ、それじゃおまえ、けさの新聞を見たのだね」
「ええ、そうよ。ほら、ここに道之助というひとの写真が出ているでしょう。このひとと、その写真とはそっくりだわ。ねえ、おとうさま、その写真はどういうひとなの?」
 問いつめられた博士は、なんとなく心ぐるしいおももちだったが、
「美罚ё印ⅳ饯涡凑妞趣いΔ韦悉汀⒗跎鼜亍钉皮摹罚铡钉洹筏趣い盲啤ⅳ趣Δ丹螭喂扭び讶摔坤盲俊¥筏贰ⅳ饯韦窑趣稀ⅳ猡κ迥辘猡蓼à怂坤螭坤韦坤琛
「まあ、栗生――ですって? それじゃ、その道之助というひととやっぱりなにか関係があるのね」
「そうだよ。美罚ё印⒌乐蠌卦栅趣いΔ窑趣蜗⒆婴摔沥い胜い韦馈6膜膜韦趣摔妞ú幻鳏摔胜盲皮汀¥饯欷扦趣Δ丹螭祥Lい間、道之助のゆくえをさがしていたのだが、もういけない。美罚ё印ⅳ沥绀盲趣长欷颏搐椁蟆
 博士は顔色を暗くかげらせながら、机のひきだしから古い手帳をとり出したが、やがてパラパラとペ袱颏幛盲泼婪'子の前へさしだした。美罚ё婴悉栅筏饯Δ摔饯违讴‘ジをのぞきこんだが、とたんにまっ青にならずにはいられなかった。
 ああ、なんということだ。そこには赤んぼうくらいの小さい指紋が押してあったが、その指紋というのが、まぎれもなくどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋!
「まあ、それじゃやっぱり……おとうさま!」
「そうなのだ。道之助が生まれたときにね、あまりきみょうな指紋だから、おとうさんはこうしてとっておいたのだ。ところが、それから間もなく、道之助はゆくえがわからなくなったのだ」
「でも、おとうさま。おとうさまはこの徹哉というひとと、どんな関係があるんですの」
「いや、そればかりは聞いてくれるな。おとうさんはこの徹哉という男に、すまないことをしているのだ。それでなんとかして、せめてその子の道之助でもさがし出して、むかしの罪ほろぼしをしたいと思っていたのだが、もうだめだ。道之助は世にも恐ろしい悪党になっているのだ」
 博士はそういうと目に涙さえうかべて、
「わしはあのどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋のうわさを聞いたとき、すぐにこれは道之助だとさとったのだよ。なぜといって、こんなきみょうな指紋を持っている人間が、世界にふたりとあるはずがないからね。それ以来、わしがどのように苦しんだか……もしあの子がまともな人間に育っていたら……」
「しかしおとうさま、おとうさまはこの徹哉というひとにどんなことをなさいましたの。ねえ、おかくしになっちゃいや。あたしは、なにもかも知りたいの。話してちょうだい。どんなことを聞いてもおどろきゃしないから……」
「美罚ё樱 
 宗像博士は娘の手をとると、ハラハラと涙をこぼしながら、
「それじゃ話すがね、おとうさんはいけない男だったのだ。おとうさんは、その栗生徹哉という男の財産を横取りしたのだよ」
「な、なんですって」
 美罚ё婴悉嗓恧い聘袱晤啢蛞姢胜筏俊
「むろん、はじめからそのつもりじゃなかったのだが、結果においてそうなったのだ。美罚ё印ⅳ蓼⒙劋い皮臁
 そこで宗像博士が話したのは、つぎのようなざんげ[#「ざんげ」に傍点]話だ。

 栗生徹哉と宗像博士とはそのむかし、親友だった。この栗生という男は金持ちのお坊ちゃんだったが、親類というものがひとりもなく、それで財産の管理などもいっさい、宗像博士にまかせていた。
 そのうちにかれはおくさんをもらって子どもが生まれた。それがつまり道之助なのである。ところがこの道之助が二つになったとき、栗生は結核で死んだのだが、その死の間ぎわに、あとのことを宗像博士にたのんでいった。むろん博士は親友の遺言を守るつもりだったが、ただこまったことには道之助の母というのが、とてもたちのわるい女で、うかつに財産など渡せないのである。
 そこで宗像博士は、道之助が大きくなるまで財産を保管していようと思い、ことばをあいまいににごして、母親のいうことを取りあげずにおいた。すると相手は、てっきり博士が財産を自分のものにするつもりだろうと早がてんして、この復しゅうはかならずするからおぼえていろと、ものすごいおどしもんくを残して、それから間もなく子どもとともに、すがたをくらましてしまったのである。なにしろその女は、まだ正式に栗生の妻になっていなかったので、法律であらそうわけにもいかなかったのだ。
 宗像博士はむろん後悔した。母親は母親として、子どもは栗生の子にちがいないのだから、なんとかしてさがし出して財産を渡してやりたいとあらゆる手をつくしさがしたがまるでゆくえがわからない。そのうちに、道之助の母親が死んだということだけは、風のたよりにわかったが、子どもはひとの手からひとの手へと渡っていって、ついきょうの日までゆくえがわからなかったのである。
「おとうさんは決して、はじめからそんな悪いことをたくらんだわけじゃない。しかし結果から見ると、いままで道之助の財産を自分のものにしていたことになる。おとうさんはそれをどんなに苦にしていたろう。だからいっこくも早く道之助をさがしだして、むかしの罪ほろぼしに、あとつぎにして財産をゆずりたいと思っていたのだが、もういけない。だめだ。道之助は世にも恐ろしいどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋の怪盗なのだ」

     鳴りやむ歌時計

 はじめて聞く父の秘密に、美罚ё婴悉嗓螭胜摔嗓恧い郡恧Α
 ――ああ気のどくなおとうさま。おとうさまが悪いのじゃないわ。みんなその母親というひとが悪いのだわ。
 と、そう思うしたから、また道之助のことを考えると、ゾッとするような恐ろしさがこみあげてくる。
 ――もしおとうさまがそのとき、すなおに財産を渡しておいたら、あのひとも恐ろしいどろぼうなどにならずにすんだかも知れない。世のなかには、しんせつでしたことでも、思いがけない悪いことをひき起こすこともある。もし道之助がそれを知ったら、どんなに父をうらむだろう。
 それを考えると美罚ё婴悉胜螭趣猡いà翰话菠摔胜搿¥栅筏蔬命のいたずらに、彼女はその日いちにち泣き暮らしたが、さて、その夜のこと――。
 泣きぬれて寝入っていた美罚ё婴稀⒄嬉怪肖搐韷簸韦胜恰ⅳ郡坤胜椁瘫Qを聞いたような気がして、ハッと目がさめた。
「あら、あれ、なんの声だったかしら?」
 胸をドキドキさせながら、じっと聞き耳をたてていると、どこかでかすかなオルゴ毪我簸工搿%毳穿‘ルは雨だれの音のように『蛍の光』のメロディ颍唷钉省筏扦皮い搿C婪'子はハッとして枕もとの時計を見ると、ちょうど三時だ。
「まあ、それじゃおとうさま、今夜もお仕事かしら?」
 美罚ё婴悉猡铯菏驻颏筏菠俊
 宗像博士はよく真夜中に起きて仕事をすることがある。そんなとき、博士はいつも、目ざまし時計をかけておくのだが、その目ざまし時計というのは歌時計になっていて、ベルのかわりにオルゴ毪和wの光』を奏でるようになっているのだ。
 美罚ё婴悉坤椤⒄嬉怪肖搐恧饯违毳穿‘ルが鳴り出すと、いつも、ああ、また今夜もお仕事だわ、とそのまま寝てしまうのだが、今夜ばかりはどういうものか、父のことが気になってたまらない。それでしばらくじっとその音に耳をすましていたが、すると、ふいにオルゴ毪我簸膝郡趣浃螭馈
「あら!」
 美罚ё婴悉撙绀Δ市丐丹铯蚋肖袱俊%毳穿‘ルが終わりまで歌わずに、とちゅうでフ盲趣浃螭坤韦胜螭趣胜瘹荬摔搿¥饯欷恕ⅳ丹盲劋い俊ⅳⅳ韦郡坤胜椁探肖由
 美罚ё婴悉饯长恰ⅳ趣猡⒏袱螘鴶趣颏韦兢い埔姢瑜Δ取⑶奘窑虺訾毪取⑾陇丐辘皮い盲俊¥取ⅳ饯长扦肖盲郡辘瘸龌幛盲郡韦⒏袱沃证沃踞⑷馈S⑷猡长渭窑饲薏搐蓼辘筏皮い毪韦扦ⅳ搿
「あら、志岐さん!」
「しッ!」
 英三は口に指をあてた。なんとなくまっ青な顔をしている。美罚ё婴悉摔铯恕ⅳ悉菠筏ば丐丹铯蚋肖袱胜椤
「いったい、どうしたの?」
 と、声をふるわせてたずねた。
「どうもへんなのです。先生の書斎のほうで、みょうな物音が聞こえたのです」
 と、英三も声をふるわせている。
「いって見ましょう。ねえ、いって見ましょうよ」
 ふたりはそこで書斎へはいると、パチッと電気のスイッチをひねったが、そのとたん、アッと叫んで棒立ちになった。宗像博士があけに染まってたおれているのだ。
「おとうさま! おとうさま!」
「先生! 先生!」
 ふたりはむちゅうになって左右からとりすがったが、博士はすでにこと切れている。見ると胸のあたりに二、三か所、ものすごい突き傷をうけているのだ。
「おとうさま、おとうさま。ああ、だれがこんなことをしたんですの。おとうさまァ!」
 美罚ё婴悉沥い韦瑜Δ似肖螭坤ⅳ饯韦趣馈ⅳ胜摔蛞姢膜堡郡韦⑷ⅴⅴ盲冉肖螭橇ⅳ沥ⅳ毪取
「美罚ё婴丹蟆ⅳ搐椁螭胜丹ぁ¥场ⅳ长欷颍 
 とただならぬさけび声、ハッとした美罚ё婴⒂⑷沃袱丹工趣长恧蛞姢毪取ⅳⅳⅰⅳ胜螭趣いΔ长趣馈⒈冥摔盲跨Rの上に、ベッタリと血染めの指紋、しかもそれはまぎれもなく、あのいまわしい

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